生活保護と自動車保有問題
コロナ禍において、厚生労働省が「生活保護は国民の権利です」とツイートしたことが話題となりました。
生活保護は、憲法に定められた権利であり、収入と資産が少なければ、それだけで原則、受給することが可能です。
しかし、自動車を保有しながら生活保護を受けることは、大変難しい状況にあります。
前回、50年ほど前の東京オリンピックの頃の「自動車は資産」という通達が維持されているからです。
当時は、自動車の普及率が低く、山村部にも商店や医療機関、保育所などがありました。山村部までのバス路線も多く張り巡らされていました。
しかし、自動車の価値の相対的低下により、自動車が普及したため、山村部のそれらの機関が大きく減少し、バス路線も乗客減により廃止・減便となってきています。
よって、今は山村部や郊外で、「周りに必要な機関がなく、バス路線もない」というような地域は珍しくありません。
このような地域が多い地方都市では、自動車は「生活必需品」となっているのです。
それにもかかわらず、前回オリンピックの頃の通達を維持し、自動車の保有を認めないことは、時代錯誤ではないでしょうか。