相続相談や相続手続きを司法書士に依頼する際にできること~司法書士以外の依頼先も紹介します~
「相続について相談したいけれど、どこに相談すればいいかわからない」「相続手続きの依頼先は司法書士であっているのでしょうか?」このような悩みにお答えいたします。この記事では、相続相談、手続きについて司法書士ができることや、司法書士に依頼するのがおすすめのケースを解説しますので、ぜひお役立てください。
Contents
相続の際に司法書士に依頼できる内容
相続の際に司法書士に依頼できる内容は下記の6つです。- 相続人の調査
- 相続財産のリサーチ
- 相続登記に関する手続き
- 相続放棄の手続き
- 遺言に関する手続き
- 遺産分割調停の書類作成
それぞれ詳しく解説します。
相続人の調査
相続人の調査について、司法書士に依頼することができます。相続が必要になった際には、まず、相続人が誰になるのか調べる「相続人調査」をする必要があります。
「相続人調査」では、故人の出生から死亡するまでの戸籍謄本を収集して、相続関係を調べる必要があるのですが、戸籍は市町村ごとに管理しているため、人によっては複数の自治体で戸籍を収集しなければなりません。司法書士であれば、戸籍を収集代行から戸籍内容の分析まで行い、相続人を調べることができます。相続人はわかりきっているよ、という場合でも、調べていくと再婚前の子供や、甥や姪が相続人となっているケースもあります。
相続財産のリサーチ
相続財産のリサーチも司法書士にご依頼いただけます。相続にあたって、故人の所有している財産がどれくらいあるのか把握していない場合も多いでしょう。複数の金融機関に預貯金していたり、複数の市町村で不動産を所有していたり、株式・投資信託を実は行っていた、ということもあり、相続人の把握していない相続財産が判明することも珍しくありません。相続財産のリサーチにはかなりの時間と手間が必要になります。そのため、司法書士に相続財産のリサーチを依頼すれば、スムーズに相続を進められます。特に、相続税申告が必要なケースでは、相続開始後10カ月以内に申告が必要ですので、スムーズに財産調査を進める必要があります。
相続登記に関する手続き
相続登記は司法書士に依頼されるのがおすすめです。故人が不動産を所有していた場合は相続登記(不動産の名義変更)が必要になりますが、残念ながら、2024年4月1日からはこの相続登記が義務化されてしまいます。相続登記を含む登記業務は司法書士の専門分野ですので、相続手続きを司法書士以外に依頼しても、相続登記については結局、司法書士への依頼が必要となります。そのため、司法書士に初めから依頼しておけば、複数の専門家に依頼する必要が無くなります。相続放棄の手続き
故人に借金があった場合に、何もしないと借金も同時に相続することになります。借金の方がプラスの財産より多い場合などは、相続放棄によって相続人の立場を放棄することができます。つまり、相続放棄を家庭裁判所に行うことで、借金含めた相続財産すべてを相続せずに済みます。また、長年放置されていた祖父母や親族名義の空き家について、相続人が相続放棄を行ったため、自分が相続人になったと自治体から通知が来た、というケースも増加しています。
司法書士は、相続放棄書類の作成も取り扱っていますので、ぜひご利用ください。
遺言に関する手続き
司法書士は、遺言書文案の作成や遺言の執行、死後の遺言書検認の申立書類の作成など、遺言関係の手続きに幅広く対応しています。・遺産分割調停の書類作成
相続人間で遺産分割について協議が整わない場合、家庭裁判所へ遺産分割調停を申立てることになります。司法書士は、この調停関係の書類をすべて作成することが可能です。
司法書士以外に相続相談や相続手続きができる士業
司法書士以外に相続相談や相続手続きができる依頼先は下記の4つです。- 弁護士
- 行政書士
- 税理士
- 信託銀行
それぞれ得意としている業務が違いますので、それぞれの特徴を解説します。
弁護士
弁護士にも相続相談や手続きを依頼できます。相続人間でトラブルになっている場合は弁護士へ依頼することになります。相続については、弁護士だけが依頼者の代理人として、相手方と交渉し、解決を行うことが可能な専門家だからです。また、遺産分割調停において当事者の代理人になることができるのも、弁護士のみです。行政書士
行政書士にも相続手続きを依頼できます。役所への書類の提出が必要な方におすすめです。行政書士は、官公署の許認可の専門家であるためです。具体的には、故人が許認可を伴う事業をおこなっていて、相続人が事業を引き継ぐ際などに、許認可の変更に関する書類の作成などが上げられます。
ただし、それ以外には、行政書士は相続人調査と相続財産の調査、遺産分割協議書の作成のみ取り扱うことができます。相続放棄や遺産分割調停などの裁判書類作成、不動産登記(相続による名義変更)は、行政書士には取り扱うことが認められていません。
税理士
税理士にも相続相談や手続きを依頼できます。相続税の申告や準確定申告が必要な方は、税理士に依頼することになります。税理士は、相続税に関する手続きを代行します。相続税に関する手続きは他の専門家では代行できません。相続税の申告は自分でも可能ですが、時間と手間がかかりミスをすれば税務調査や加算税が課せられる可能性があります。
信託銀行
信託銀行にも相続相談や手続きを依頼できます。相続財産の管理や運用を考えている方におすすめです。信託銀行は信託や金融商品、保険商品も取り扱っているからです。しかし、信託銀行は実際に相続手続きをおこなっているのではなく、他の士業に仕事を依頼している仲介役でしかありません。そのため、費用が高くなる傾向がありますので、注意が必要です。
司法書士に相続手続きを依頼した方が良いケース
司法書士に相続手続きを依頼した方が良いケースは下記の5つです。- 相続財産に不動産が含まれている
- 相続人間で遺産分割内容がまとまっている
- 遺産の承継手続きをお願いしたい
- 自分で遺産分割調停を起こしたいが、書類の作成方法がわからない
- どの専門家に依頼したらよいかわからない
相続財産に不動産が含まれている場合は、相続登記の手続きが必要になりますので、司法書士に依頼する必要があります。また、相続人間で遺産分割内容がまとまっている場合には、相続登記や遺産の解約・承継手続きを司法書士が行うことが可能です。
他にも、遺産分割協議がまとまらないため、自分で遺産分割調停を起こしたい場合には、司法書士が書類の作成をいたします。また、「どの専門家に依頼したらよいかわからない」という場合にも、司法書士にご相談いただければ、弁護士、税理士、行政書士など適切な専門家に取り次ぐことが可能です。
相続税がかかるかどうか気になる方も多いと思われますが、基本的には、下記の金額を超えなければ相続税の課税はありません。
基本控除額3,000万円+600万円×相続人の人数
例えば、相続人が一人の場合は3,600万円以下、二人の場合は4,200万円以下であれば相続税はかかりません。
相続手続きやご相談は、川上司法書士・行政書士事務所にお任せください
相続手続きやご相談は「川上司法書士・行政書士事務所」にお任せください。当事務所では、相談そのものに重点をおいており、親切、丁寧、わかりやすさを心掛けて業務を行っております。そのため、相談については、完全予約制、完全個別制で承っています。当事務所は長野県松本市に事務所を構えています。長野県中信地域にお住まい・お勤めの方をはじめ、故郷が中信地域、故人が中信地域にお住まいであったという場合に、お手伝いできることがたくさんあると思います。
依頼を前提としないご相談であっても、お気軽にご相談ください。